閲覧は自己責任にて。
いつかのブログの続き。
このシリーズを書きはじめてから、すでに3年4ヶ月の月日が経過していますが、完成をあきらめたわけではありません。
ホッジポッジらしく、マイペースに行きましょう。
さて、ホイールは手組で行くことになったので、リム・ハブ・スポーク・ニップルを選んでいきます。
パーツを選ぶうえで必要な要素がスポークホール数。つまり何本のスポークでホイールを組むか。
スポークの本数は増えるほど耐久性・剛性が上がり、その反面重量と空気抵抗が増えていきます。
ロードレーサーなどで、高速巡航を重視する場合は空気抵抗の削減も意識するところではありますが、今回のケースではあまり気にする必要はないでしょう。
スポーク本数を減らすと1本にかかる負担が大きくなり、振れが出やすく、スポーク折れが発生しやすくなります。
用途にもよりますが、Gorilla Monsoonでは32h or 28hあたりで選ぶと良いのではないでしょうか。
今回はオーナー様とご相談のうえ、強度・剛性がしっかりしたホイールに仕上げよう、ということで32hを選択します。
スポーク数が決まったら、リムを選んで行きましょう。
リムは大きく分けると、カーボン製とアルミ製があります。
カーボンは軽量で剛性が高いことが大きなメリット。価格が高いことと、想定外の力に弱く、アルミに比べて耐久性が劣ることがデメリットとしてあげられます。
アルミはその逆で手頃。そしてカーボンほど取り扱いに神経質になる必要がありません。
レースでの使用を想定して、コスト・耐久性よりもレーシングスペックを優先する場合はカーボンがおすすめ。ということになりますが、今回の用途ではアルミリムが良いでしょう。
アルミリムの中でも価格やスペックは様々です。
価格帯で差が出る部分だと、チューブレス・レディに対応しているかどうか。
そして継ぎ目の工法。
継ぎ目は大きく分けると、ピンジョイント・ウェルドジョイント(溶接)・スリーブジョイントの3つに分かれます。
工法により継ぎ目の精度やリムの強度、重量バランスにも違いがあります。
重量バランスというのは重量の偏りのことで、ピンジョイントやスリーブジョイントは継ぎ目に金具を必要とするので、継ぎ目部分の重量が重くなってしまいます。
ホイールに重量の偏りがあると回転ロスや安定性の低下につながります。(実際にはリムだけでなく、バルブやタイヤなどの重量バランスも影響します)
ピンジョイントが最もコストが安いですが、継ぎ目の精度に劣り、構造上リム重量が重くなります。
ウェルドジョイントが最も継ぎ目の精度が高く、軽く重量バランスにも優れています。ですが溶接時の熱の影響で強度低下が起きやすいといったデメリットもあります。
スリーブジョイントはピンジョイントよりも継ぎ目の精度が高く、熱による強度低下がありません。またスリーブは強度補強部品としても機能し、接合部をリムの最も強い部分にします。
それぞれに一長一短があり、どの工法が採用されているかは何を重視するかによって変わってくるということですね。
続いてリム幅。
リムの内幅によって使用可能なタイヤ幅が決まります。厳密にはリムフックの形状によっても使用可能なタイヤ幅が異なるため、推奨タイヤ幅はメーカーごとにバラツキがあります。
また、製品によっては最大空気圧の指定がある物もありますので、スペックを要確認のうえ、自分の用途と合わせて選んで行きましょう。
以上のことを踏まえてご案内していく中で、オーナー様がチョイスしたのは、VELOCITY Blunt SS。
軽量で高いスポークテンションに対応したリムで、剛性の高いホイールに仕上げることが可能です。
おまけにMade in USAでルックスまで良いときたら、選びたくなるのも納得。
ちなみにVELOCITYのリムの継ぎ目はスリーブにエポキシを用いた独自の方法で接合しているとのこと。


さて、リムが決まったらお次はハブ。
と言いたいところですが、思いのほか長くなってしまったので今日はこの辺で。
手組ホイールは奥が深いですねぇ。