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先日ホッジポッジに遊びに来てくれたSalsaアンバサダーのJupさんから、”REVELATE DESIGNS no Spinelock ga hoshii” とありがたいご連絡が。
Spinelockは自分も気になっていた商品ですし、今までご紹介できていなかったサドルバッグもあるので、店内にあるサドルバッグを比較しながらあれこれ書いていこうかなと思います。(Jupさんにはご快諾いただきました)
Spinelock最大の特徴はサドルレール・マウントシステム。
サドルレールにマウントを固定することで大容量サドルバッグの弱点である横揺れを防ぎます。
また、サドルバッグ本体にエアバルブが備えられており、サドルバッグ本体でコンプレッションが可能。完全防水なのでダウンシュラフ等を直で突っ込んで、コンプレッションまでできるのは大変便利かと。
サドルバッグを固定しているのはレールマウント部のピンとシートポストのベルクロのみなので、バッグの着脱も容易に可能です。
”必要ない時はバッグを外しておきたい” という人にもおすすめですね。
弱点があるとすれば大容量ゆえにタイヤとサドルレールのクリアランスが必要なこと。
サドルレール~タイヤのクリアランスは220mm以上、シートポストの突き出しが164mm以上必要です。
スパインロックには10Lモデルもあり、こちらはサドルレール~タイヤのクリアランスは200mm以上、シートポストの突き出しが164mm以上必要です。
機能は素晴らしいサドルバッグですが、店主のような低身長の方はクリアランスに要注意ですね。
続きましてTRIGLAV。
TRIGLAVは今後要注目のポーランドのバイクパックブランドです。
ホッジポッジにも足を運んでくれているディーンさんが ” The Adventure Cyclist.jp ” なる代理店を立ち上げましてホッジポッジでの取り扱いがスタートしました。
TRIGLAVは建築家の方が始めたとても職人気質なブランドで、縫製や高周波溶着されたドライバッグなどを見てもこだわりや品質の高さが伺えます。
サドルバッグは” Jumper ” と ” Hamster ” という2種類のラインナップがあります。
まずはJumperから見ていきましょう。
Jumperは4-9Lで使用可能なサドルバッグ。
容量は小さめですが先述のSpinelockと違って大きなクリアランスは必要ないので、使い勝手が良いですね。
測ってみたところサドルレールとタイヤとの間に160mm以上のクリアランスがあれば問題なさそうです。
TRIGLAVはオーソドックスな作りですが、上部からサイドにかけてと底部に補強のパネルが入っていて、Spinelockほどではないですが横揺れは少ないです。ストラップの配置も絶妙でしっかりとテンションをかけることが可能です。
またシートポストに接触する部分はラバー素材が施されており、滑りにくさと耐摩耗性も配慮されています。
自転車への固定もベルクロとバックルのみなので、着脱も簡単。
この辺の細部へのこだわりが職人気質で高品質なブランドと言えますね。
お次はTRIGLAVのHamster。
Hamsterは6L~13Lで使用可能。Jumperとは根本的な作りが異なっていて、ハーネスからドライバッグのみを着脱可能なサドルバッグです。
共通しているのは上部からサイド、そして底部の補強パネル。
HamsterもJumper同様、見た目以上に横揺れは少ないです。
ドライバッグは高周波溶着されており、美しく品質の高さが伺えます。
容量が増える分クリアランスも必要となるので、サドルレール~タイヤで210mm以上は欲しいところ。
さて、ここから番外編。
店主私物のご紹介です笑
PORCELAIN ROCKETはカナダのカスタム・ハンドメイド・バイクパックブランド。
創設者のスコットは生粋のアドベンチャーサイクリストであり、度重なるフィールドテストにより、革新的な製品をリリースしてきました。
その代表作がMr. Fusion。こちらはアップデートが加えられたMr. Fusion V2です。
Mr. Fusion最大の特徴はHUNTER CYCLESと共同開発されたクロモリ製サポートフープの存在です。
サポートフープはシートポストクランプを通じて自転車に固定され、サドルバッグの横揺れを防ぎます。
REVELATE DESIGN Spinelockが “横揺れがほぼない” と表現するならば、Mr. Fusionは “横揺れしない” と言っても過言ではないほど。
またバックル一つでドライバッグを着脱できるシステムで、ハーネスを外すことなく荷物を取り出すことが可能。
通常のサドルバッグはサドルの下に “吊り下げる” 構造なのですが、重量が増えると横揺れを防ぐのが難しくなってきます。
その点Mr. Fusionはサポートフープで下から支える構造になっているので、抜群の安定感があります。
このサポートフープはドライバッグ外部に荷物を括り付ける際にも役立ちます。
クロモリ製のサポートフープがあることでバッグ自体が重そうに見えますが、560gと他の製品とほぼ変わらない重量に抑えられています。(実はSpinelockよりも120g軽かったりします)
ただ、サポートフープ・ハーネスの着脱にはひと手間必要なので、 “使わない時はハーネスごと外しておきたい” という方には不向きかと。
さて、Mr. Fusionを筆頭に独創的で素晴らしい製品を数多くリリースしてきたPORCELAIN ROCKETですが、残念ながら2021年1月にROCK GEISTに買収されたというニュースがありました。
“じゃあMr. Fusionの紹介は何のためだ。ただの自慢か?” と思う方がいるかもしれませんが、そういうわけでもないんです。
PORCELAIN ROCKETは実質なくなったわけですが、PORCELAIN ROCKETの製品群はROCKGEISTで継続して販売されるとのこと。
つまり、今後もMr. Fusionを手に入れるチャンスはあるのです。
そして、とある国内代理店がROCKGEISTにアプローチしているようなので、Mr. Fusionを知っておいていただく価値はあるかと思います。
最後にご紹介するのはBLACKBURN Outpost Seat Pack。
こちらを購入したのは6年ぐらい前だったんじゃないかと。
今も販売されているモデルのようです。(マイナーチェンジしているかもしれません)
¥16,500とリーズナブルながらも11Lの容量があり、ドライバッグのみの着脱が可能。
弱点としてはハーネス底部に補強パネルが入っておらず、ストラップのテンションをかけるとドライバッグの形が崩れやすい。
横揺れに対しても特にこれといった対策がされておらず、それなりに揺れます。
ここ数年でバイクパックもラインナップが増えるとともに価格帯も広がりましたが、このあたりが価格差を感じる点ですね。
ちなみに現在ホッジポッジ・ジャンクヤードにて販売中ですので、 “手頃なバイクパックを探している” という方は是非。
ホッジポッジ・ジャンクヤード
今回サドルバッグについて色々書いて、改めてバイクパックの分野がここ数年で急速に進化を遂げてきているのを実感しました。
どの製品も長所と短所を持ち合わせており、自分の用途に合わせて選択することが大切ですね。
“バイクパッキングに挑戦したいけど、どのバッグを買えばいいかわからない” という方は是非店頭に色々聞きに来てくださいね。